その解雇 不当解雇では!?
2022.08.01
解雇を言い渡されたけど、これって不当解雇では!?
ある日突然言い渡された人もいれば、じわじわと追いやられて予兆があった人もいると思います。
日本の法制度上、従業員の雇用継続は手厚く保護されているため、会社が従業員をクビにするためには一定のハードルがあります。
裏を返すと、従業員が解雇を言い渡されたとしても、それは不当解雇の可能性が十分に考えられます!
この記事では、
・どういう場合に不当解雇になるのか
・実際に不当解雇と判断された裁判例
・不当解雇された場合の対処法
について弁護士岸本幸大が解説します!
どういう場合に不当解雇になるのか
「不当解雇」とは、解雇が労働契約法という法律で定められている要件を満たず、無効となる解雇のことをいいます。
不当解雇の【例】としては、以下のようなケースがあてはまります。
✅ 自分の意見を言ったら、生意気だからという理由で解雇された✅ 会社の売上が下がってるからという理由で自分だけが解雇された
✅ 不当な成績評価に基づき能力不足だと指摘され解雇された
実際に不当解雇と判断された裁判例
セガ・エンタープライゼス事件
・会社はAの労働能率が劣っている、向上の見込みなし、積極性×、自己中心的で協調性なし、との理由で解雇
判決では、
・ ✅ 平均的な水準に達していなかったからといって直ちに解雇が有効となるわけではない
・ ✅就業規則に規定されている解雇事由は、「精神又は身体の障害により業務に堪えないとき」、「会社の経営上やむを得ない事由があるとき」といった極めて限定的な場合に限られている。平均的な水準に達していないというだけでは不十分であり、著しく労働能率が劣り、しかも向上の見込みがないときでなければならないというべき。
・ ✅Aは平均的な水準に達しているとはいえないが、人事考課は、相対評価であって、絶対評価ではないことから、直ちに労働能率が著しく劣り、向上の見込みがないとまでいうことはできない。
・ ✅会社は、Aに対して、さらに体系的な教育、指導を実施することによって、その労働能率の向上を図る余地があるというべき
と判示して、解雇が無効と判断されました!
不当解雇された場合の対処法
不当な解雇を言い渡された場合は、
①解雇の理由を確認し
②解雇を争う意思を伝えましょう
③そのうえで、弁護士に相談しましょう
まず、不当解雇であるというためには、解雇の理由が重要になってきます。
そして、解雇を争う意思を伝えておかないと、退職に合意していたと反論されるかもしれません。
不当解雇を争う場合、専門知識が必要になりますので、弁護士から助言を受けることで、正しい進め方が可能になります。